close
エンドトキシン試験とは

エンドトキシン試験の位置づけと凝固メカニズム

エンドトキシン試験とは

エンドトキシン試験の概要

エンドトキシン試験の位置づけと凝固メカニズム

リムルス試験の位置づけ

エンドトキシンはグラム陰性桿菌の細胞壁外膜表層の構成成分で、ごく微量で高い発熱性を示すほか、ショック、サイトカインの誘導など様々な生物活性を持っています。
そのため医薬品などへの混入は重大な副作用の原因になり得ます。

これまで医薬品などへの発熱物質を検出する試験として、ウサギに検体を投与して体温上昇をみるウサギ発熱性物質試験が広く用いられて来ました。
しかしこの試験は、in vivo試験のため、時間・費用面と精度・再現性に問題があります。その代替法としてリムルス試験が利用されています。

現在は医薬品だけでなく、体内で用いる医療機器や透析液、再生医療等製品でもエンドトキシンの測定が行われています。

カブトガニの血球成分はエンドトキシンのほかに(1→3)-β-D-グルカンとも反応することが明らかとなり、エンドトキシンとβ-グルカンそれぞれに特異的な天然ライセ—ト試薬のほかに、C因子、B因子および凝固酵素前駆体の3つの組換えタンパク質からなるエンドトキシン特異的な組換えライセ—ト試薬が開発商品化されています。

凝固メカニズム

カブトガニの血液中には細かい顆粒を多く含んでいるアメーバ様細胞(amebocyte)が存在しており、エンドトキシンと反応して凝固がおこります。またその後の研究により(1→3)-β-D-グルカンによっても凝固することが明らかにされています。(図1参照)

この凝固反応の生物学的意義は (1)体液流出の防止 (2)感染細菌のゲル内への被包化 (3)傷外局所の修復があげられます。

  • 図1 リムルス反応のカスケード機構
参考文献
  • Tanaka, S.,et al.:Carbohydr.Res., 218:167-174(1991)
  • Tanaka, S. and Iwanaga, S.:limulus test for detecting bacterial endotoxin. Method in Enzymology, 223:358-364(1993)
  • Kobayashi, Y. et al.:J.Biol. Chem., 289, 25987-25995, 2014
  • BPB Reports Volume 5 Issue 5 105-114(2022)
  • 掲載内容は本情報掲載時点のものであり、予告なしに仕様、デザイン等を変更する場合があります。
  • 表示の価格は、当社希望納入価格であり、消費税等は含まれておりません。